Vol.117
2021.1.29
グリーン住宅ポイントをもらえる条件とは? vol.4 リフォームの性能要件
グリーン住宅ポイント制度では、新築、賃貸、既存、リフォームという4つの住宅タイプに分けてポイント発行の要件が指定されています。前回までは、そのうちの新築、賃貸、既存住宅をご紹介しました。今回の記事では、リフォームの対象工事やポイントが発行される要件についてご紹介します。
リフォームの対象工事等とは?
新築や既存住宅には「所有者が自ら居住する住宅」という居住要件がありましたが、リフォームに居住要件はありません。ポイント発行は、次の①〜③のいずれかのリフォームをすることが必須要件になっています。この要件に該当する場合には、①〜⑥の一定規模以上のリフォーム工事等についてそれぞれポイントをもらうことができます。
これら6つについて、それぞれに指定されている設備や条件を確認していきましょう。
1. 開口部の断熱改修
改修後の開口部の熱貫流率※1が開口部の断熱性能等に関する基準※2のうち、開口部比率の区分(ろ)の基準値以下となるよう行う次のイ、ロ、ハ、またはニのいずれかに該当する断熱改修が対象となっています。窓やドアなど、対象となる開口部の仕様については基準の指定があるため、制度概要の資料をご確認ください。
イ. ガラス交換 … 既存窓を利用して、複層ガラス等に交換するもの |
ロ. 内窓設置 … 既存窓の内側に、新たに窓を新設するもの、及び既存の内窓を取り除き、新たな内窓に交換するもの |
ハ. 外窓交換 … 既存窓を取り除き、新たな窓に交換するもの、及び新たに窓を設置するもの |
ニ. ドア交換 … 既存のドアを取り除き新たなドアに交換するもの、及び新たにドアを設置するもの |
※1…平成30年10月に更新された国立研究開発法人建築研究所が公表する「平成 28年省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能の評価に関する技術情報(住宅)」の「2.エネルギー消費性能の算定方法 2.1算定方法 第三章 暖冷房負荷と外皮性能 第三節 熱貫流率及び線熱貫流率 5.部位の熱貫流率 5.2 開口部 5.2.4 窓又はドアの熱貫流率」に基づき、開口部の熱貫流率は、JIS A 2102-1 などによる方法の他、当該窓及びドアの仕様に応じて付録Bで定める熱貫流率の値によることもできます。
※2…住宅部分の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準及び一次エネルギー消費量に関する基準 (平成28年国土交通省告示第 266号)
2. 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
断熱改修の基準は、改修後に使用している断熱材の使用量が指定の基準以上であることが条件となっています。外壁、屋根・天井または床の部位ごとに、一定の使用量以上の断熱材を使用している必要があり、対象となる断熱材の性能や使用量については、制度概要に公開されています。
3. エコ住宅設備の設置
エコ住宅設備のリフォームで対象になるのは、次の5つの住宅設備です。それぞれの設備について、制度概要で指定された基準を満たしている必要があります。
・太陽熱利用システム |
・節水型トイレ |
・高断熱浴槽 |
・高効率給湯機(エコキュート,エコジョーズ,エコフィール,ハイブリッド給湯機) |
・節湯水栓 |
4. 耐震改修
旧耐震基準によって建築された住宅を、現行の耐震基準に適合させる工事を対象としています。
耐震改修の証明書として、グリーン住宅ポイント制度用耐震改修証明書、または増改築等工事証明書(第4号工事を含むもの)の写し、または住宅耐震改修証明書の写しの提出が必要です。
5. バリアフリー改修
バリアフリー改修で対象になるのは、次の5つの工事です。それぞれの設備について、制度概要で指定されている基準を満たしている必要があります。取り付けの際に工事をともなわない場合など、基準に満たない簡易的な設置は対象外となりますのでご注意ください。
・手すりの設置 |
・段差解消 |
・廊下幅等の拡張 |
・ホームエレベーターの新設 |
・衝撃緩和畳の設置 |
6. リフォーム瑕疵保険等への加入
対象となるのは、国土交通大臣が指定する住宅瑕疵担保責任保険法人が取り扱うリフォーム瑕疵保険、および、大規模修繕工事瑕疵保険です。
証明書類として、保険証券の写し、または付保証明書の写しの提出が必要です。
まとめ
ポイント申請には、対象工事についての証明書や工事写真等が必要となります。詳細は国土交通省が公表している制度概要をご確認ください。また、対象となる建材や設備については、公募と審査により基準の適合が認められた製品が登録されます。対象製品は、今後事務局から公表される予定となっています。
制度概要は今後変更される可能性があります。詳細は国土交通省のホームページをご確認ください。
国土交通省:グリーン住宅ポイント制度について
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000181.html※当記事は2021年1月29日時点での情報です。