Vol.122

グリーン住宅ポイント制度でもらえるポイント数について、前回までの記事では新築住宅と賃貸住宅、既存住宅をご紹介してきました。三回目となる今回はリフォームを取り上げて、発行ポイントの上限や特例、改修工事ごとのポイント数についてご紹介します。
発行ポイントの上限は?
まずは発行ポイントの上限を確認しましょう。リフォームの基本的な上限は、1戸あたり30万Ptです。さらに指定されている要件に該当する場合は、この上限が引き上げられる仕組みになっています。要件ごとの上限ポイント数は以下の通りです。

既存住宅購入の有無 | 上限ポイント数 | 既存住宅を購入(※3)(※4)しリフォームを行う場合(※5) | 60万Pt/戸 |
---|---|
上記以外のリフォームを行う場合(※6) | 45万Pt/戸 |
既存住宅購入の有無 | 上限ポイント数 | 安心R住宅を購入(※3)(※4)しリフォームを行う場合(※5) | 45万Pt/戸 |
---|---|
上記以外のリフォームを行う場合 | 30万Pt/戸 |
(※1)若者世帯とは、令和2年12月15日(閣議決定日)時点で、申請者が40歳未満の世帯。
(※2)子育て世帯とは、令和2年12月15日(閣議決定日)時点で18歳未満の子を有する世帯、またはポイント発行申請時点で18歳未満の子を有する世帯。
(※3)売買契約額が100万円(税込)以上であること。
(※4)令和2年12月15日(閣議決定日)以降に売買契約を締結したものに限る。
(※5)自ら居住することを目的に購入する住宅について、売買契約締結から3ヶ月以内にリフォーム工事の請負契約を締結する場合に限る。
(※6)自ら居住する住宅でリフォーム工事を行う場合に限る。
ポイントの算定方法は?
リフォームでは、下記①〜⑥のリフォーム工事等について、設定されているポイント数の合計が発行されます。①〜③についてはいずれか必須、④〜⑥については任意です。⑦既存住宅購入加算に該当する場合は、①〜⑥のポイント数の2倍のポイントが発行されます。
対象工事等 | 発行ポイント | ① 開口部の断熱改修 ※いずれか必須 | 工事内容ごとに設定 |
---|---|
② 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修 ※いずれか必須 |
|
③ エコ住宅設備の設置 ※いずれか必須 |
|
④ バリアフリー改修 | |
⑤ 耐震改修 | 15万Pt/戸 |
⑥ リフォーム瑕疵保険等への加入 | 0.7万Pt/契約 |
⑦ 既存住宅購入加算 | ①~⑥のポイント数を2倍とする |
(注)1申請あたり①~⑥の合計ポイントが5万ポイント未満の場合はポイント発行申請できません。
①〜⑦について、具体的な条件やポイント数を確認していきましょう。
①開口部の断熱改修
1箇所あたりのポイント数 × 施工箇所数のポイント数が発行されます。
大きさ区分 | 面積(※3) | 1枚あたりのポイント数 |
---|---|---|
大 | 1.4㎡以上 | 7,000Pt |
中 | 0.8㎡以上1.4㎡未満 | 5,000Pt |
小 | 0.1㎡以上0.8㎡未満 | 2,000Pt |
大きさ区分 | 面積(※4) | 1箇所あたりのポイント数 |
---|---|---|
大 | 2.8㎡以上 | 20,000Pt |
中 | 1.6㎡以上2.8㎡未満 | 15,000Pt |
小 | 0.2㎡以上1.6㎡未満 | 13,000Pt |
大きさ区分 | 面積(※4) | 1箇所あたりのポイント数 |
---|---|---|
大 | 開戸:1.8㎡以上 引戸:3.0㎡以上 | 28,000Pt |
中 | — | — |
小 | 開戸:1.0㎡以上1.8㎡未満 引戸:1.0㎡以上3.0㎡未満 | 24,000Pt |
(※1)ガラス交換は、箇所数ではなく、交換するガラス1枚あたりにポイント発行
(※2)内窓交換を含む
(※3)ガラスの寸法とする
(※4)内窓もしくは外窓のサッシ枠又は開戸もしくは引戸の戸枠の枠外寸法とする
②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修

改修後の外壁、屋根・天井又は床の部位ごとに下記のポイント数が発行されます。制度概要に指定されている最低使用量以上の断熱材を使用している必要があります。
施工部位の種類 | ポイント数 |
---|---|
外壁 | 10万Pt/戸 ※5万Pt/戸 |
屋根・天井 | 3.2万Pt/戸 ※1.6万Pt/戸 |
床 | 6万Pt/戸 ※3万Pt/戸 |
※部分断熱の場合の発行ポイント数。
③エコ住宅設備の設置
太陽熱利用システム、高断熱浴槽、高効率給湯機については、設置台数ではなく設備の種類に応じてポイントが発行されます。一方、節水型トイレ、節湯水栓については、設備の種類ごとに設置台数を掛けたポイント数が発行されます。最終的にはその合計ポイント数が発行される仕組みです。
設備の種類 | ポイント数 |
---|---|
太陽熱利用システム | 2.4万Pt/戸 |
節水型トイレ | 1.6万Pt/台 |
高断熱浴槽 | 2.4万Pt/戸 |
高効率給湯機 | 2.4万Pt/戸 |
節湯水栓 | 0.4万Pt/台 |
④バリアフリー改修
下記のバリアフリー工事について、その箇所数によらず、改修を行った対象工事の種類に応じたポイント数の合計が発行されます。
対象工事の種類 | ポイント数 |
---|---|
手すりの設置 (※1) | 0.5万Pt/戸 |
段差解消 (※2) | 0.6万Pt/戸 |
廊下幅等の拡張 (※3) | 2.8万Pt/戸 |
ホームエレベーターの新設 (※4) | 15万Pt/戸 |
衝撃緩和畳の設置 (※5) | 1.7万Pt/戸 |
(※1)手すりの設置…便所、浴室、脱衣室、その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路のうち、いずれか1箇所以上に1本以上の手すりを取り付ける工事。
(※2)段差解消…便所、浴室、脱衣室、その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路のうち、いずれか1箇所以上の床の段差を解消する工事。(勝手口その他屋外に面する開口の出入口及び上がりかまち並びに浴室の出入口にあっては、段差を小さくする工事を含む。)
(※3)廊下幅等の拡張…介助用の車いすで容易に移動するために通路又は出入口のうち、いずれか1箇所以上の幅を拡張する工事。
(※4)ホームエレベーターの新設…戸建住宅又は共同住宅専有部分に新設する工事。
(※5)衝撃緩和畳の設置…衝撃緩和畳を新設又は入替えにより設置する工事。(4.5畳以上設置の場合に限る。)
※原則として、バリアフリー改修促進税制の取扱いに準じます。
⑤耐震改修
以下の耐震改修工事に対してポイントが発行されます。
対象工事 | ポイント数 |
---|---|
旧耐震基準により建築された住宅を、現行の耐震基準に適合させる工事 | 15万Pt/戸 |
⑥リフォーム瑕疵保険等への加入
以下のリフォーム瑕疵保険又は大規模修繕工事瑕疵保険への加入に対して、ポイントが発行されます。
対象工事 | ポイント数 |
---|---|
国土交通大臣が指定する住宅瑕疵担保責任保険法人が取り扱うリフォーム瑕疵保険及び大規模修繕工事瑕疵保険であること | 0.7万Pt/契約 |
⑦既存住宅購入加算
以下の全てに該当する場合、①~⑥の各リフォーム工事等のポイント数が2倍になります。
要件 |
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自ら居住することを目的に購入した既存住宅であること。 |
令和2年12月15日(閣議決定日)以降に売買契約を締結したものに限る。 |
売買契約額が100万円(税込)以上であること。 |
売買契約締結から3ヶ月以内にリフォーム工事の請負契約を締結すること。 |
まとめ
前制度とは異なり、グリーン住宅ポイント制度のリフォームでは必須の改修工事が指定されています。そのほかにも申請時の最低ポイント数や該当する改修工事の変更などいつくかの変更点があるので、前回に引き続き制度の活用を考えている方は改めて概要を確認しておきましょう。
制度概要は今後変更される可能性があります。詳細は事務局のホームページをご確認ください。
グリーン住宅ポイント事務局ホームページ
https://greenpt.mlit.go.jp/※当記事は2021年3月5日時点での情報です。